③「自ら学ぶ」姿勢はいかにして作るか?

③「自ら学ぶ」姿勢はいかにして作るか?

 先に述べたように、「生徒に基礎学力があることを前提に」集団型進学塾の勉強は進められてゆきます。
 元々、問題集の解説も参考にしながら難関校の入試問題を多くこなせる生徒が、難問を解くコツや大量に暗記したりする勉強を効率的に行なうために、集団型進学塾へ通うのは確かに効果的といえます。
 効率的に暗記でき、学習塾で同じ内容の勉強をする手間が省け、結果的にゆとりにつながるからです。
 ただ、こういった生徒は、集団型進学塾の中でも、おおよそ上位2割に過ぎません。
 現実は、残り8割の生徒は、その塾の教材や授業を十分にこなせていないのです。

 こういった集団型進学塾は、学校とは別のカリキュラムで進めていくため、「学校での学習内容は、かなり余裕をもってこなせてしまう生徒」でなければ効果的とはいえません。

 公立の学校で中程度以下の成績の生徒の場合、集団型進学塾に通うことで、成績が上がるどころか、逆に、学校の成績も下がってしまう場合もあるのです。
 学校の進度と、塾のカリキュラムが異なるため、両方をこなそうとすることで、どちらも中途半端になってしまうからです。

 ですから理想は、塾のカリキュラムと学校のカリキュラムが連動していることです。

 学校での各教科の進み方を予測します。
 「学校で2週間後はどの単元をやるか」ということを予測し、「学校で2週間後に行なう単元」を塾で先に進めてしまうことが理想です。
 しかも、学校で行なうよりもちょっと難しい問題も含めて、塾で約2週間前に終わらせてしまうのです。
 そうすれば、学校で授業を受けるときは、すべて復習の状態になるし、また、塾で行なった問題よりも、学校のほうがカンタンなので、宿題なども短時間で終わらせることができるようになります。

 中には、学校でもかなりの良い成績をとっていて、難関校を受験することを考えている人もいると思います。
 そんな場合でも、「学校で2週間後に行なう単元」を塾で先に進めてしまうという方針は変えないことです。

 ただ、「学校で2週間後に行なう単元」の応用問題や入試問題を並行して行なえばいいのです。

 ここがポイントです。
 余裕があるからといって、先に先に進めすぎないこと。
 余裕がある場合は、「学校で2週間後に行なう単元」の範囲内で教科書レベルの問題だけでなく、応用問題や、入試問題をやっていくのです。深く深く勉強を進めていくのです!

 ただ、ここで気をつけなければならないことは、学校の授業を受けた後に、わからないところを塾で教えてもらうという方法は避けたほうがいいことです。
 学校でわからなかったところをピックアップして、ばらばらに塾で教えてもらおうとすると、それだけで非効率的だからです。

 それよりも、学校でその単元の授業を受ける前に、塾で隅々まで、学校で教えてもらうよりも深く理解しておけば、学校での授業をすべて「復習」にすることができ、理解度もグッと深まるからです。
 学校で宿題が出ても、塾では、それよりも難しい問題をすべて事前に済ませているので、その宿題を短時間で終わらせることができるのです!


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